まずは足の皮膚にできる水虫について
高齢化社会がすすみ、足の水虫(ハクセン)は4人に1人、爪の水虫(ハクセン)は10人に1人の割合でみられ、徐々に増加傾向にあります。夫婦間より親子間で感染しやすいと言われています。ただ、患者さんは自己判断で水虫と思いこみ、市販薬である程度改善されると放置するということを繰り返すことが多くそのうちに家族内発生などにより周りに広げてゆくことも多いのが現状です。
最近はマンションやビルなど気密性の高い住宅や靴をはく習慣などにより、大人だけでなく子供や学生にもみられます。新陳代謝が活発な子供でも親が水虫に感染していればうつることもありますので注意が必要です。
また猫などのペットからうつる水虫(M.カニス)や、柔道・レスリングなど体が触れ合う格闘技によって集団でうつしあう水虫(T.トンズランス)も増えてきています。
診断は皮膚科で皮むけや爪を顕微鏡で調べることで確定し、その臨床症状に合わせた抗真菌剤を処方することが大切ですので、自己判断で市販薬に頼らず(市販薬でかぶれてヒドくなることもあります)、皮膚科を受診してください。
1、塗り薬について
足ハクセンで主に用いるぬり薬は現在、ゼフナートクリームとルリコンクリームなどがあげられます。ゼフナートは殺真菌力が強いのが特徴で、それに対してルリコンクリームは適応菌の種類が広いのが特徴です。
外用すると約4週間で80%で菌が陰性化しますが、早くから殺菌力を示すゼフナートクリームでも皮膚のターンオーバーを考えても考えて最低1ヶ月以上は必要です。そして顕微鏡で菌が陰性化しても週1〜2ヶ月は3ヶ月間は塗り続けるとよいでしょう。水虫(白セン菌)に対して塗り薬が耐性化することはないので同じ抗真菌剤を塗り続けても効果が弱まることはありません。
塗る範囲も足底のかかとからつま先まで全体に、また数cmは広めに考えると効果的です。
市販薬や昔もらった薬など、塗り薬が効かない場合やかえってヒドくなってしまう場合などは、塗り薬自体にかぶれているか、対応菌種が違っているか、もしくは水虫という診断自体が間違っている(亀裂性皮膚炎や異汗性皮膚炎・掌セキ膿疱症など)ということが考えられますので、皮膚科を受診してください。