髪の毛が伸びる”成長期”の毛の根本にある毛母細胞や毛包の周りは、もともとは免疫的に”寛容”な状態であり、抗原抗体反応が起こりにくくなっています。これにはα-MSHやTGF-βなどの免疫寛容を維持する因子が遺伝的に低めの方が様々な環境的な因子(例えばウイルス感染や疲労・ストレス、またはアトピー素因)が加わることによって、隠されていた自己抗原(メラニン由来のタンパク)が明らかになります。するとリンパ球が毛包の周りに集まって攻撃の炎症を起こし円形脱毛症を発症するといわれています。
1度毛包部に炎症が生じると毛は休止期に移行して縮まって短くなりリンパ球の浸潤はいったん収まりますが、再び攻撃が起こるとすぐ再び毛は休止期に移り、それを繰り返していくと休止期になりっぱなしの状態になってしまい成長期(伸びる時期)へのスイッチが入りずらく、休止期が長くなる独自のヘアサイクルが生じてしまいます。そのような固定期になってしまうとなかなか通常の治療では反応しずらくなってしまいます。